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趣味の時間

by Yuki Hattori

僕には、畑で野菜を作ったり、海でドローンを飛ばしたり、いろんなものにカメラをくっつけて動画を撮ったりと、人並みに趣味がありますが、最近は「苔を育てる」という我ながらわけの分からないものにハマっています。

かっこいい言い方をすれば「アクアテラリウム」というらしいのですが、2年ぐらい前から始めて、一時期水草に浮気をして、また苔に戻ってきた、という知らない人からすれば何を言っているのか分からないようなことを、20cm角のキューブ型の水槽の中で一生懸命にやっていて、そこでは小さなエビも飼っているので、水を循環させないといけない、つまりできるだけ自然の水辺に近い形を再現する必要があり、これがこれでなかなか奥深く面白いのです。

さらにそこに「マン盆栽」なるものをかけ合わせて、今は「巨木の傍で水を描く画家」というテーマでつk…まぁ要するに完全に自己満の世界です。

で、そんなことをしていると、「そうか、盆栽はいいヒントになるかもな」と思い立って植木屋に出かけていくわけです。そこで出会った知らないお爺さんと、ヒノキゴケとハイゴケはどっちが好きかとか、屋久島なんとか草という草のフォルムがいかに素晴らしいかというような話に熱中して、さすが大先輩は話が面白いなぁと感服した帰り道に、ふと猛烈な不安に襲われることがあります。そう、平日の昼間なんですね。大の男がこんなことをやっていて大丈夫なんだろうかと。

植木屋にいたのは時間にして30分程度。人間それぐらいの休憩は必要です。ただ絵面的にやはりどうもおかしい。盆栽を横目に、今日あったかいですねーとか言ってるのは僕以外は老人ばかり。小心者の僕は、なにか悪いことをしているような気分になって、そんな不安が払拭されるまでそれはもうガムシャラに働くので、やっぱり趣味の時間は大事なのかもしれません。ワークライフバランスという言葉はあんまり好きじゃないけれど、よく働きよく遊ぶ。まぁそれで良いのかなぁと。

先日、屋上のある家を借りてから、気分転換に外に出ることが増えました。まだ少し寒いけど、コーヒーとMacを持っていって空の下で仕事をしていると、明らかにいつもよりアイデアが冴えてきます。
仕事を詰め込み過ぎて余裕をなくすと、僕を信頼してくれた大事な人からの相談事を「タスク」などと呼び始め、事務的にこなすようなことをしてしまいそうになりますが、そういう仕事は僕に求められているものとは違うので、いつもフレッシュな気分でいられるように、毎日の生活そのものをデザインすることがものすごく重要です。キープフレッシュはすべての基本。

屋外で過ごすのが好きな自分のために、暖かくなったら屋上にハンモックとグリーンを設置して昼寝ができるようにする計画だと話していたら、友人がハンモックをプレゼントしてくれました。慢性的な寝不足で、シエスタという都合のいい言葉を持ち出して惰眠を貪るときにも、部屋の隅の小さなソファで身体を丸めるより、太陽の下でハンモックに揺られて眠るほうがそれはそれは気持ちいいでしょう。猫の額ほどの小さな屋上でも、野菜や草花を育てたり、ドローンの練習もできる。今はとにかく春が待ち遠しいのです。

結局、閃きという不確かなものはリラックスしているときにしか降りてこないので、慌ただしい日々だからこそ趣味の時間を大切にしたいものです。


Yuki Hattori
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