Fragment

がんばろう!石巻

by Yuki Hattori

宮城県石巻市。東日本大震災で津波による甚大な被害を受けた沿岸部に、今もまだ大きな爪痕を残すこの町を訪ねるのは今回で2度目。

5年前の震災以降、自分にできることを探していたものの、当時の僕はあまりに無力で何をしていいのか分からなかった。でももしかしたら今なら、ほんの少しだけ何かの役に立てるんじゃないかと機会を探していたところ、ひょんなことから石巻復興支援ネットワーク「やっぺす」の方々とご縁が繋がり、ホームページ制作の講座を持たせてもらえることになった。

慰霊碑の横に立つポール

開講式に出席するために初めて石巻を訪れたのが今年の3月。前日の夕方ホテルに着いた後、絶品の寿司と地酒にありつく少し前、沿岸部を軽く見学しに行くことにした。即席石巻ガイドと化し、あまりこちらの話を聞いていない(失礼!笑)タクシー運転手さんの説明を受けながら、「がんばろう!石巻」と大きく書かれた追悼の場へ。そこには津波到達点、つまり津波の高さを示す1本のポールが立っていた。その高さは6.9mだという。

6.9m。

左側に立っているのが津波到達点を示すポール

日が暮れ始めていたことと雨が降っていたこともあり、ほとんど写真を撮らなかったのだけど、正確には撮れなかったという方が正しい。かつてはそこに町があったという広大な空き地に立つ、屋根の高さほどもあるポールは、巨大な水が文字通り町を飲み込んだことを意味する。その意味に、頭が混乱してその後しばらく何を話したか覚えていない。たぶん、あの時感じていたのは恐怖だと思う。

少し落ち着いてから、「被災した方々の悲しみは想像を絶する、明日は元気に明るく行こう!」と変に力が入ったことだけをなんとか覚えている。

パワフルな女性たち

しかし翌日、開講式で地元の方々と触れ合ったとき、そのイメージは良い意味で一変する。
皆さんそれはもうパワフルで明るい!5年後にヒョコッと現れた神妙な面持ちの若造に心配なんかされなくても、もうとっくに前を向いて進んでいて、そのパワーに逆にこちらが力をもらっていた。もちろん僕には想像もできないものを心に抱えているはずなのに、それを見せることなく、それぞれの事業や活動を通して地に足をつけて笑っている。とても輝いて見えたし、ああこの人たちの力になりたい、素直にそう思った。

あれから5ヶ月。あの時もらった力を今度は僕が返す番。そんな思いを胸に、これから仙台行きの飛行機に乗ります。

よし。がんばろう!石巻。