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僕がDJIドローンを手放したわけ

by Yuki Hattori

最近、色々なところで目にするようになったドローン。テレビでも空撮映像をよく見かけるようになり、僕が使いはじめた頃の「変な人が使う危ないもの」という怪しいイメージはいくらか改善されてきたように思う。今後はSIMが搭載されるだろうと予想しているのだけど、これが携帯電話網にのっかれば活動範囲は一気に広がって、空撮だけじゃなくて物流などでの使用も現実味を帯びてくる。モノが運べるようになったら世界は一変するだろうな。多分そんなに先の話じゃない。

と思ってたらKDDIからちょうどこんなニュースが。確かソフトバンクも実験を始めているはず。個人的にはこの流れは大歓迎で、こういうのをずっと待ってた。

そんなドローンの代名詞とも言える定番機が、DJIのPhantom4。このPhantom4を「空飛ぶカメラ」として半年ほど使ってみた結果、先日売却した。実は最近あんまり出番がなくて、部屋の隅でホコリをかぶっていた。

それでも一時期は、ドローンで撮った映像をSNSにアップしたり、会う人会う人にドローンの話ばっかりしていたので「服部くん、ドローンって実際どう?」と聞かれることも度々あり、これからドローンを買ってみようかな、という人のために僕なりの所感をまとめてみることにする。

画質と操作性は大満足。ただ難点も。

まずは映像。これは文句なしに面白い。今まで撮れなかった角度や場所(例えば水上など)からの空撮は確実に僕の世界を広げてくれた。特に上空から見る桜や海には感動すら覚え、こんな映像が自分で撮れるなんて!と、未来を感じてワクワクしたのをよく覚えている。

操作性も素晴らしい。他のドローンに比べてPhantom4はとても簡単に操作できて、5分も触ればある程度の操作はできるようになるんじゃないかな。自動追尾機能などもついているので、移動を自動化すれば撮影だけに集中できるのも良い。機能面では、おそらく他のメーカーより数歩先を行っていると思う。

一方で、ネックとなるのが携帯性。とにかくデカい、そして重い。撮影機材として考えれば大したサイズでないのは確かだけれど、僕みたいに遊びで撮る人にとっては相当大きくて、どこへ行くにもバックパッカーみたいになってしまう。一眼レフを買ったけど重くてほとんど使ってない、という経験に心当たりがある人も多いと思うけど、やはり持っていくのが億劫だと、使う機会はそれほど多く訪れない。

バッテリーについても、まだまだこれからといった印象。一応カタログスペックでは30分ほどの飛行が可能なことになっているものの、30分なんてのは本当にあっという間で、例えばサーフィンの撮影なら、波の角度や撮りたいサーファーの位置を確認しているうちにバッテリーが半分以上無くなってしまう。予備バッテリーが最低2本はないとまともな撮影はできないんじゃないかな。で、そのバッテリーが1本2万円以上しやがるので、商売がお上手ですね。

広がったようで狭い世界

そんなこんなで、まだまだ課題が多いドローンを取り巻く状況は、かつてのスマホのそれに似ている。iPhoneが日本で発売されたときも「これはすごい!未来が来た!」と思って飛びついたけど、まわりの人に話しても全然ピンときていない様子で、同じようにすげー!って興奮してたのは友達の桜井くんだけだったし、絵文字もワンセグも使えない携帯なんて絶対流行らないとか、マニアだけが使う特殊なものだとか言われて(笑)。ところが未来というのは分からないもので、当時そんなことを言ってた人も今ではスマホを片時も離せなくなっている。うちの両親でさえ。

で、同じように飛びついたPhantom4はどうだったかというと、「ちょっと遅かったかな」というのが正直なところ。売ったお金で買おうと思っていた新機種「Mavic Pro」もたぶん買わないと思う。
というのも、飛ばせる場所があまりにも少なすぎて、これではちょっとね。改正航空法やそれぞれの市町村の条例に則ると、海や山はともかく、都市部では飛ばせるところはほとんどなくて、ここいけるかな?と思って問い合わせても、担当者自身が分からなかったりするのが実状で、曖昧な返答ばかりが返ってくる。この国では分からないことはダメということになるので、結局いつもの場所での退屈な映像ばかりが溜まっていく。

ドローンで世界が広がっても、飛ぶのを許された世界は絶望的に狭くて、せっかく空が飛べるのに檻に入れられてるみたいで、これじゃあ面白くない。

200gという壁

ドローンを抱えて飛ばせる場所を探していると、20歳ぐらいの頃にスケボーができる場所を探して先輩と町をうろついてたことを思い出す。15年経った今もやってることが変わらないところを見ると、50歳になってもたぶんこんな感じなんだろうな(笑)35歳ってもっと大人だと思ってた。

じゃあ、街中で飛ばす方法は絶対にないのかというとそうでもなくて、国土交通大臣の許可があればOK。でもそれって、マスコミとかではない僕にはなかなかハードルが高いわけで。事前にスケジュールを組んで、この日にこれを撮りましょう、とかやるわけじゃないしね。
ただ実は、本体の重量が200g未満のドローンならその許可は必要ない、というまぁ一種の抜け道があって、200g未満であれば改正航空法でいう「無人航空機」には該当しないので(※2016年12月現在)、特定の場所を除けば基本的にどこでも飛行が可能。もちろん法的には問題なしでも安全性の確保やプライバシーの問題はあるので、実際には「どこでも」というわけにはいかないんだけど、格段に自由度が上がることは間違いない。

この200gというのは相当小さくて、身近なものだと、iPhone 6s Plusぐらい。小さくなれば機能も劣るし、操作も一気に難しくなるわけだけど、それでも「どこでも飛ばせる」というメリットは限りなく大きい。ということで今、僕の関心はがぜん200g未満の小型ドローンに向いている。今のところ一番面白そうなのはDOBBY

当たり前だけど、重要なのは「何で」撮るかじゃなく、「何を」撮るか。
僕が撮りたいものは、200gの壁の向こう側にある気がする。


Yuki Hattori
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