Fragment

Jimdo Best Pages を振り返って

by Yuki Hattori

Jimdo Best Pages が今年も開催された。制作に携わった「琉球古典音楽家 よなは徹」先生のWebサイトが最終選考にノミネートされ、「Jimdo Best Content」という名誉ある賞をいただくことができた。色々な声があるけれど、努力が認められた瞬間を素直に喜びたい。

Jimdo Best Contentとは、文字通りコンテンツの内容が優れているサイトを決めるもの。受賞した瞬間の気持ちは正直なところ少し意外で、壇上では珍しく頭が真っ白になった。ノミネートされていた他のサイトに比べて、コンテンツの量という意味では決して充実しているわけではない。審査員をされていたWebライダー松尾茂起さんの言葉に耳をかっぽじった。

松尾さんからはコンテンツの「間」について評価していただき、よなは徹というアーティストの楽曲を聴いてみたいと思わせるシンプルな構成が選出の理由とのことだった。ご自身も音楽活動をされている松尾さんならではの視点で、自分としても「間」は非常に大切にしていた要素なので、これは本当に嬉しかった。

「間」という、とらえどころのないもの

「間」というのは余白を何ピクセルにしてどうのこうのという話ではなくて、よなは徹という希代の音楽家の持つ空気感をいかに崩さないか、ということに尽きる。このWebサイトの制作依頼を受けた時、まず一番に意識したのはそれだった。余計な装飾をしない、安易な沖縄らしさを加えない、無駄な言葉で飾らないなど、とにかく「引き算」を重ねていくことで、逆に「よなは徹」という存在感が浮き出てくるようデザインした。

「間」はとらえどころがなく、ちょっとしたことですぐに失われてしまう。まだまだできることがあったようにも思うけれど、自分のデザインの意図をしっかり見てくれている人がいて、それをコンテンツとして評価してもらえたことは、自分のこれからにとって大きな意味があったし、自分の中でまさに課題と感じていたコンテンツ制作について、昔から尊敬している松尾さんに言葉をいただけたことはこれ以上ない励みとなった。

また、今回受賞されたサイトはどれも素晴らしく、特にBest Pageの「なげいれ 花の教室」のサイトからはものすごく刺激をいただいた。僕は評論する立場にないのでサイトに関するコメントは避けるけれど、今の自分に欠けている重要なものに気づかせてもらったように思う。今年も参加できて本当に良かった。

僕はこれからも、1人のJimdoファンとしてJimdoをハックし続けるし、いいクライアントに巡り会って、いいWebサイトが作れたら、アワードにもエントリーするつもりでいる。できれば来年も。


Jimdoの未来のために僕ができること

さて、今回の受賞作品を振り返ってみると、全ての作品がプロの制作したものだったことについて賛否両論があるようで、これについては僕も少し思うところがあったのだけれど、KDDIウェブコミュニケーションズの高畑さんの記事を読んで、すとんと腹に落ちた。たぶんこれ以上の答えはないと思う。

一方で、「プロではないユーザーが作ったサイトがアワードを席巻する」Jimdoのそんな未来を見てみたい思いも僕の中にはある。それはプロを排除するとか、アマチュア部門を作る、みたいなぬるいハンデ戦なんかじゃなくて、あくまで同じ土俵で。 僕の友だちや先輩にはとんでもないセンスの持ち主がいっぱいいて、センスはあってもパソコンが苦手というその人達が自分でWebサイトを作れたら、どれほどかっこいいサイトが生まれるだろう。それを見てみたい。

そのためにはJimdoはもっともっと簡単になる必要があって、今回の受賞者が全てプロだったのは、まだそこに届いていない証だと思う。きっと僕の「Jimdo Expert」としての仕事はそのあたりにあるんだろう。
TOKYOレイアウトのデザインはその取り組みのひとつで、誰でも簡単に使えるレイアウトを目指したし、そういう意味では、今回最終選考にノミネートされたサイトの中にTOKYOレイアウトを使ったものがあったのは、いい未来を予感させてくれるできごとだった。

そのサイトのオーナーと少し話すことができたのだけれど、彼はプロではなかった。こういう人がもっと増えていくために僕は何ができるだろう。